2016年12月13日火曜日

『勉強の技術』(児玉光雄 著、サイエンスアイ新書』

たまたま、本屋で横積みされていたので、購入し読みました。
著者はスポーツの分野でのコーチングの著書、勉強方法についての多数の書を著しており、
効率的な勉強方法を科学的に分析しています。

その内容は、われわれが経験則で(決して科学的ではない)把握して、生徒にも指導している内容に通ずるものもあり、それに科学的根拠を与えてくれるもので、興味深く読めました。

その中から一部を紹介すると

「睡眠時間を削れば、物理的に勉強時間を確保することはできますが、肝心の脳の状態が芳しくないため、勉強の能率が上がらず、・・・勉強ははかどりません。・・・無駄と思える時間を徹底的に排除しましょう。」
「一夜漬けに代表されるような集中学習は、一気に記憶する反動として記憶が不安定なのです。毎日コツコツ勉強する人のほうが、明らかに豊富な知識を身に付けられるのです」

やはり、定期試験前に一気に勉強して、寝不足なまま試験に臨み、何とか赤点を回避するような勉強をしている人は結局は受験には勝てない。

ましてや、教務力のなさを課題の多さでカバーしているような塾に通って、深夜まで塾の課題に追われているような、生徒は愚の骨頂と言わざるをえない。

また、この本の紹介は次回に譲ります。

2016年11月14日月曜日

4大学入試方式説明会

先日、11月12日土曜日に、志向館にて関西学院、法政、立命館、関西の各大学の入試担当者を招き、説明会を実施しました。

言うまでもなく、いずれも人気のある有名大学であり、担当者も自信あふれる、歯切れのいい説明で、聞いている生徒もメモをとりながら、熱心にきいておりました。

いろいろ有益な話があったのですが、印象的だったことを2点。

ある大学では、国立の後期まであきらめずに受験したうえで、その結果で大学にきてほしいという話。最後まであきらめない学生がほしいとのこと。

それから、入試対策として、過去問を解くのはもちろんであるが、年度をさかのぼるよりは、別の学部の同一科目をした方が近年の入試傾向がつかめるということでした。

就職は人物本位、学歴不問なんて言われて久しいが、なかなかどうして、結果だけみれば、そうでもなさそうで・・・

大学進学率が60%になろうかという時代。置かれた環境の中で、人一倍努力をした結果、有名大学に行くのなら、やはり就職しても、努力をしてくれるであろうと考えるのはごく自然な考え方であろう。

殊更に有名大学へとは言わないが、ともかく悔いのないような努力だけはしてもらいたい。その結果として行く大学なら、納得して入学し、そして大学へ入ってもいろいろな分野で活躍できるでしょうし、就職活動もがんばれるでしょう。




2016年11月7日月曜日

TPP

 TPPがアメリカ好きな現政権により、また数の力で可決される見込みである。十分に議論がなされないまま、見切り発車の感は否定できない。

 まあ議論したとことで、結局は現在の政治状況なら、可決されるのでしょう。たとえ、海外から安い食品が入ってきても、物によってはやはり少々高くても、日本産のものを買うでしょう。消費者だって、馬鹿じゃない。値段だけで判断はしないだろう。
 ただ、右の写真のような、消費者をだますような表現はやめてほしい。
原材料に原産国書いてあるから、”だまし”ではないのであるが・・・まず目に入るのは「高知県産」でしょう。
けどねえ。先週の焼き鯖すしといい。
これから、TPPで特に加工品ではこういう表現が増えるのでしょうか。

とはいえ、こんなことは他人事ではないのであって、やたら東京大学をはじめてする難関大学の合格実績ばかりを強調する塾、予備校業界も同じことなのかもしれない。


・・・反省。




2016年10月31日月曜日

焼き鯖すし

福井に行った際に、ついでに右の焼き鯖すしを買ってきました。

原材料欄を見ると、「鯖(ノルウェー産)」とある。

「若狭の」と銘打って、メインの鯖が
ノルウェー産というのはどうなんだろう?

で、少し調べてみると、
まず国内の鯖の漁獲量は
1980年の130万トンから2014年には
50万トンと約6割減。(「日本国勢図会」のよる)

そういえば、スーパーに並んでいる加工品の鯖もノルウェー産が確かに多い。

で、もう少し調べてみると、ノルウェー産の方が日本産よりも脂が乗っていて、焼くとおいしいらしい。どうも、ノルウェーは国を挙げて、日本向けの鯖を養殖しているのだそうです。(ネットより)

それでも、小浜市公認のキャラクター名にまで「さば」を入れている土地で、大々的に「若狭の」と銘打ったお土産に、しかも品物のメインがノルウェー産と小さく書いてあるのはやはり割り切れない思いは強い。

ひと時産地偽装がとやかく言われた時期もあったけど、正直に書いてあればそれでいいんかいと言いたくなる。

とは言うものの、食べ物自体に罪はないわけで、もちろんおいしく頂きました。


2016年10月29日土曜日

鉛筆の硬度

この間、授業で生徒としゃべっていたら、シャープペンシルの芯の硬度がほとんどの生徒がBだという。

私たちの学生時代にはほとんどの生徒がHBで、まれにこだわりのある生徒はFを使っていたのとは隔世の感がある。

さらに、(年がばれそうだが)、マーク用にはHの鉛筆必須で、たくさん買い込んだことも記憶がある。

なんで、Bというと、「書くのが軽い」とか。

でもなあ、使いずらいやろうなあとかぼやいていたら、
「ジェネレーションギャップ」と言われてしもうた。

まあ、どうでもいい話ですが・・・

HBを使って、余計な力を入れて書いて、ペンだこの固さを競い合っていた受験生なんて、過去の遺物なんでしょうねえ。

2016年10月24日月曜日

今さらながら、数学のセンター追試について

ずっと、忘れていて、今さらながら、今年のセンター数学の追試解きましので、覚えのために少し触れてみたい。

ⅠAは若干大問の最後に難しい設問があるものの、それ以外はそれほどでもなく、例年通りの難度であったかと。

問題なのはⅡBで、仮にこれが本試だったら、2013年のⅠAと同様で、受験の世界ではパニックが起きたであろうレベルである。

よく生徒の中にはセンター過去問の演習をしていて、できないと、これ追試だから仕方がないというように言い訳する者も少なくはないが、私は「追試だから難しいということはない」と日ごろから指導している。

ところが、今回に限っては前言撤回です。

まず、最初の指数対数から変形しにくく、第1問の後半は三角関数でなく、図形方程式。最初にみんなの苦手な軌跡の問題がある。(と言っても教科書の例題レベルではあるのだが)

次に第2問は微分積分であるが、最初に図形の問題があり、こういうのは結構受験生が苦手で、しかもこの数値を正しく出さないと、最後まで引っかかるという、問題である。

第3問の数列は格子点の問題で、国公立の2次試験ではよく出題される問題ではあるが、単に数えるだけではなく、数列の和を利用した問題は、センター対策しか数学の勉強をしてこなかった生徒にはきつかったであろう。

第4問のベクトルは正八角形を題材とした問題で、正六角形ならよく見ていたであろうが、正八角形はとっつきにくかったであろう。(これまでの私の経験では、半数ぐらいの生徒が正八角形を正しく描けないが、)正しい図形を描いて、直観的に、図形的に解ければ、しかも選択肢もあって、できないわけではないが、真面目に考えたら、かなり難しい。

このセットを60分で解いて、8割以上とれる人は、理系でもかなり数学のできる人でしょう。

センター前に、もう一度気合を入れなおしたい生徒(直前はやめた方がいい、心折れてしまいます)

もしくは、数学ができると勘違いをしている生徒の鼻っ柱を折らせたい塾や予備校の先生には
おすすめのセットかもしれません。

とは言うものの、今後こういう問題が出題されないとも限りませんので、演習には利用してほしい問題です。

ところで、センターの対策の勉強として、過去問を解かずに参考書等の勉強だけで終わる人、もしくは、2次試験対策していれば、センター対策など不要という人がいますが、大きな間違いです。
まず、何よりセンターの過去問の演習です。それも、本来なら、3年の今頃からではなく、もう少し前、3年になったぐらいのころからすべきでしょう。

そこで、志向館では、2年の冬期講習で、例年数学ⅠAのセンターの過去問等を取り上げて、演習、解説を行います。ぜひ早めに対策をお勧めします。

2016年10月20日木曜日

Fランク大学の存在意義

東洋経済オンラインより
「私はBF(ボーダーフリー)の大学こそ、日本の希望だと思っているんですよ。決して絶望して居直っているのではありません。私たちだからこそ、教えられることがあると思うのです。それは、「人の物差しで生きるな」ということ。いわゆる高偏差値の大学の学生では、社会の物差しから自由になれないし、なろうともしません。私たちは、Fランクですから、社会の尺度からは比較的自由。それは、この生きにくい社会での優位性だと、我々は考えてます。人の尺度で生きるのはやめて、自分の価値観を信じる。大学の教員として、それを支える側に立ちたい。」
今、給付型奨学金の話題が出てきて、あらゆる大学に給付型の奨学金が必要なのか?という暴論が出てきそうであるが、こういう風に考えている大学教員がいる限り、やはり、大学教育の意義というものが感じられる。
ブランド校に入学したということでしか、自分の存在を主張できない学生より、大学で具体的に何を学んだかを主張できる学生になってもらいたいものである。
ところで、その志向館では来る11月12日土曜日、そのFランクと対極にあるような、関西学院、法政、立命館、関西の4大学の入試説明会を実施します。そうは言ってもやはり大学はブランドだよなという受験生はぜひご参加ください。

2016年10月18日火曜日

関関同立

「東洋経済」9月24日号に、「関関同立」の特集があって、その「関関同立の学生たちの素顔」がなかなか現実を物語っていて、おもしろい。
おそらく、関西での評価に近い。

地方の受験生にとっては、関西で国公立となるとかなりハードルが高いが、関関同立であれば手が届きや
すく、かつ就職も悪くはない。都会にでる一つの手段としての機能を果たしてきたのでなかろうか。

来る11月12日、志向館では、これらの大学から関西、関西学院、立命館および東京からは法政大学の入試担当者を招き、「入試方式説明会」を実施します。直接入試についての話を聞く、貴重な機会です。ぜひご参加ください。

2016年10月10日月曜日

金沢市埋蔵文化財センター

金沢市埋蔵文化センターに今さらながら初めて行ってきました。
金沢市内で発掘された主に縄文時代の遺物が展示されています。
こういう施設には珍しく「写真撮影可能」と明記されている。
で右のように、撮影してきました。
しかも、入館は無料。
考古学に興味のある高校生にはおすすめです。

ただ、連休中にもかかわらず、私が行ったときは、入館者1名でした・・・


2016年9月13日火曜日

秋の学力向上キャンペーン

志向館では現在秋の学力向上キャンペーンと銘打って、無料体験生募集中です。

そのパンフに載っている、「今日からできる、誰でもできる、学力向上の3つの奥義」

それについて、少しお話を。

まず一つ目

「学校の授業で寝ない」

現役生の場合、学習時間の大半が学校の授業です。それをおろそかにして、大学合格もありません。

常日頃から言っているように、「学校の学習内容を完全消化すれば、合格できない大学はありません」

大学受験は全国区だと言って、怪しげな予備校の映像授業をすすめるような塾にだまされてはいけません。

現役生に塾ができることは、学校の授業の完全フォローのみです。

2016年8月30日火曜日

「大学への数学」9月号より

「大学への数学」は今年で60周年だとかいうことで、その記念として、60年前の記事から、「どんな勉強が効果的?」という文章が掲載されている。
数学の不得意の人のための学習方向が記されているのであるが、60年前も今も根本は変わっていないなあと・・・
一部以下に抜粋する。(詳細は是非本誌を買って読んでほしい。この記事だけでも、1,234円の価値がある。)

 定理や公式もはっきり憶えていないのに、数学に対して「苦手だ、不得意だ」といっているのはワガママでしかない。・・・ 数学の暗記は理解された暗記でなければ役立たない。学習効果から云っても、憶えなければならぬことがらは、まず理解したほうが暗記しやすいし、忘れにくい。

 数学は計算の学問である。いくら定理や公式を憶えていようと、それを駆使できる計算力が貧困なかぎり問題の解決はのぞめない。・・・この計算演習では、ぜったいにミスをしないというクセをつけておくこと。それには、一つの式からつぎの式を導いたとき、それが正しいかどうかをていねいに検討し、正しいことを確認しながら進んでいくようにしたらよい。・・・計算を正しくやるためには、字を正確に書くクセもつけておかねばならない。・・・さらに字くばりの整然とした計算をするクセもつけておくこと。・・・

 私などのアドバイスと比較をするのもおこがましいのであるが、私がこれまで、生徒に言ってきたことが、ここの文章に凝縮されている。

 この通りのことを実行すれば、確かに数学はできるようになるでしょう。高々高校数学ぐらい、軽く乗り切って、もっと先の明るい未来へ踏み出してほしい。

2016年7月23日土曜日

高校野球の不祥事について

某県某高校で、部員の喫煙が発覚し、県大会途中にも関わらず、出場を辞退したという。

こういう話の中で、いつも出てくる論調が「教育の一環」という言葉である。

一体全体

甲子園に出場する高校のうち7割近くが私立高校であり、

しかも県の代表と言いながらも、県外の出身者が少なくない。

しかも、甲子園にまで、出てくる野球部員の多くは、果たして高校でしっかり勉強できているのだろうか

朝練があって、夜は遅くまで練習して、その合間の授業は居眠りをして・・・(そうじゃない生徒も多いとは思うが)

甲子園に出場して、勝ち進めれば、将来はプロか有名大学に進学。

そのこと自体は個人的には否定しない。人生野球で勝負できるなら、それはそれでいいことであろう。

問題なのは、それはを教育」などと言うのだろうか?

マスコミが(というか、主催者がマスコミなのであるから当然であるかもしれないが・・・)、「たかが」高校生の部活動の一つの大会を勝手に盛り上げ、勝手に美談に仕立て、そして、今回のような「不祥事」があれば、、これまた徹底的に叩く。

不祥事を起こした生徒が悪いのは勿論であるが、たかが(というと怒られるが)喫煙、これほどまでに騒がなくても、責めを負う高校生の将来の方が心配になってくる。

マスコミが作り上げたかつて甲子園のスターの末路が薬漬けという愚行を、マスコミは全く反省していない。


スマートフォン対応HP

ちまたでは、某ゲームで話題は持ち切りですが、

志向館では、スマートフォン対応のHPも作成しました。

まだまだ発展途上ですが、よろしくお願いします。

2016年7月22日金曜日

数学ができるようになるためrに 5

前回、解説のない学校の受験用の問題集の話をした。
この問題集にしっかり取り組むことが一番なのであるが、

解説ないし、自分でできないと言う。

そこで、どうするか?

青チャート(もしくはフォーカスゴールド)の登場である。
やっぱり基礎からやり直さないとって

でも、よく見てほしい、この参考書、断じて基礎レベルではない。
もちろん、基礎的な問題も網羅されているのだが、なぜか、計算が大変な問題が少なくない。

本当に基礎からというのなら、黄チャートからニューアクションβあたりに取り組めばよいのであるが、やはり巷の評判を気にするのか、あまり乗り気ではない。

そして、もっと言えば、これはあくまでも「参考書」なのであって、「問題集」ではないのである。
本来は、問題集をしていて、わからない問題に出会ったときに調べる参考書のはずである。

まあ、百歩譲って、問題集として使うとしよう。ところが、この青チャート、分厚い。例題が掲載されている冊子と練習問題の解説が掲載されている冊子が分冊になっていて、やたらと重い。そこで、多くの人はどちらか片方だけ持って、ひたすら例題だけやる。しかも、ほとんど書写状態。もしくは問題がついているからといって、別冊の解説のみ持って、これまたほとんど書写状態。どちらにしても、一通り終わっても、全然模試の結果に反映されない。当たり前のことである。これぞ

「チャートの罠」

かつ

「究極の時間の無駄」

である。

じゃあどうすればよいのか。

まず、0から始める(学校で習っていない状態)という人は、必ず教科書から始める。いきなり、青チャートから取り組むのは無謀以外の何物でもない。
次に、青チャートの例題ではなく、下の練習問題(practiceもしくは練習)に取り組む。わからなかったら、すぐに解説を見ずに、上の例題を参照しながら、解く。それでもわからなければ、解説を見る。その際に、決して写すのではなく、必ず、自分で計算して、最後まで答えを出すことである。
で、自力でできなかった問題をチェックしておき、一単元終わった段階で、今度はチェックをつけた練習問題の例題に取り組んでみる。これで、基礎は完璧でしょう。

そんなこと言っても、2分冊とも持ち歩くのは重たいなどと言う人もいるかもしれない。そういう人はそもそも青チャートやる資格はない。

さらに、そんなことしてたら、時間がかかって受験に間に合わないという人もいるかもしれない。そうです、すべての単元をするから時間が足らないのであって、特に苦手な単元を中心に取り組めばよいのであって、そもそも3年のしかも夏すぎから、「青チャート」で基礎からなんて、言うこと自体が間違っている。2年のうちからしとけよ。と言いたい。

よし、基礎はできた。いよいよ、入試に向けての実践だ。

またまた続く。

2016年7月16日土曜日

数学ができるようになるために 3

前回より

今度は受験に向けて

2年の後半になると、学校でもこれまでの数学ⅠAⅡBの復習用に問題集を購入させる。
で、授業では、生徒に解かせてきて、最近はその生徒が解いた解答を印刷して全員に配布する学校も多いようである。

ところが、この問題集、解説が掲載されていない。で、自分の担当の問題ともなると、質問に訪れる生徒は少なくはない。

先生によっては、どこを当てるか予め指定せず、授業の範囲をすべて解いてくるように言うらしい。
で、解けていないととたんに先生の機嫌が悪くなるとか・・・

予習なんだから、わからなければ、わからないでいい。わからないことをはっきりさせることが予習やよ って言うと、

だって、先生怖いし・・・

受験生になっても、誰のために勉強しているんだか・・・

そんな他力本願な勉強しているから、さして効果もないような映像授業や学生バイトしかいないような個別塾にぼったくられるんですよ。

じゃあどうすればいいのか

学校の復習用の問題集を授業までに、解いてみる。最低10分は考えてみる。もちろんわからない場合もあろう。その場合は巻末の解答についているヒントを参照してみる。それでも、わからなければ参考書で類題を探す。それでもわからなければ、そのまま授業で解説をきく。その解説でわからなかったら、先生に質問する。(質問は友達や塾で学生のバイト講師に聞かないほうがよい。ともすると独りよがりな解法を押し付けられることになるから)予習段階でわからなかった問題については、授業後もう一度自分で解いてみる。その際に大切なことは自分で計算して、最後まで答えを出すことである。そこまですれば、その問題は自分のものになっているでしょう。

えーそんな時間かけられないよーって言われるかもしれない。

けど、時間かけただけ、必ず自分のものになるのだし、
板書写して、あとは眺めるだけの勉強していても、たとえ同じ問題でも後で解けない。そんな勉強している方がよっぽど、時間の無駄だと思うのだが・・・

まだ続く。


2016年7月14日木曜日

数学ができるようになるために 2

前回の続き。

学校の授業で板書をしっかり写す。その行為自体は否定するものではないのですが、何もきれいに移す必要はないのであって、あとで見てわかる程度で十分である。それより、しっかり先生の話も聞いて、板書ばかりでなく、先生の言った内容も必要に応じて、記録に残すことのほうが重要である。

実際に、数学が本当に得意な生徒(勝手に得意と思っている勘違い野郎を除く)のノートを見てみるとよい。決してきれいなわけではない。ただ、グラフなり図だけはけっこうきれいに描かれていたりする。

ところが、先にあげた、きれいに板書を写す人の場合、丁寧にノートは書かれてはいるが、あまり意味も考えず、写す作業に専念するあまり、図やグラフは適当というか、ポイントを押さえられていない場合も少なくはない。

これでは、数学ができるようにはならない。

次に、教科傍用問題集であるが、宿題だからといって、何とか期限に間に合わせようと、答えもしくは誰かの解答を丸写し。しかも、学校で指定された必要最低限の問題にしか取り組まない。
まずは、じっくり考えて、わからなければ、巻末の解説でない解答およびヒントを見て、もう一度取り組んでみる。それでもわからなければ、教科書、参考書を見てみる。それでもわからなければ、はじめて誰かにきく。そういうステップを踏めば確実に解ける問題が増えていくのであるが・・・

ところが、そんなことしてたら、提出期限に間に合わないという。

だったら、遅れてでも提出すればいいやん(もちろん早めに着手することが前提ではあるが)と言うと、

だって、先生怖いし・・・

一体誰のために宿題をしているのか・・・

まだ続く。

2016年7月7日木曜日

数学ができるようになるために

数学ができるようになるためには、

これまでも何度もこのブログで考えてきたことであるし、答えは至ってシンプルなのです。

まずは学校の授業をしっかりきいて、
学校の教科傍用問題集で復習し、
定期テスト前にもう一度できなかった問題を解きなおす。
これで、定期テストは8割切ることはないでしょう。

次に、受験に向けて、学校で購入する受験用の問題集を解いて、学校の授業をしっかりきく。
そして、単元ごとにセンターの過去問を解き、解けなかった問題をもう一度解く。そして、受験校の過去問を最低10年分を解く。そして、解けなかった問題をもう一度解く。
これで、センター試験は8割以上は確保し、2次試験でも6割以上は取れて、十分に合格点に達するでしょう。数学に関しては行けない大学はないと断言できます。

ところが、
学校の授業ではしっかり、板書を写し、きれいなノートを作り、
学校で教科傍用問題集の宿題が出されれば、しっかりノートに解いて、提出する。
定期テスト前には、そのノートをながめて復習。
これで、定期テストは何とか半分くらい。

次に受験に向けて、学校で購入する受験用の問題集は解説がないから、自分で解けないといって、巷でいいと言われている”青チャート”に取り組む。例題を解こうとするもわからないから、一生懸命答えを写して、解法を覚えようとする。学校では受験用の問題集がどんどん進むし、たまに自分に当たるので、そこは誰かに質問して、何とか乗り切り、あとは授業でひたすらノートを写しまくる。ところが、なかなかマーク模試の成績が上がらない。そして、そういう人の必ず言う一言が「ケアレスミスで○○点損した」などとのたまう。ただ、記述模試はなぜか偏差値だけはそこそこ良くて、「マークは苦手なんだよね」などと言う。

学校からはやはり模試の見直しが重要だと言われ、過去の模試を引っ張り出してきて、解説を横にして、もう一度解きなおす。ところが、ある程度解法がわかったら、あとは計算だけだからといって、結果だけ写す。
それでも、11月当たりのマーク模試でも結果が出ず、やっぱりセンターの過去問だよなと言って、過去問に取り組む。(それも、塾に置いてある赤本などを利用したりするセコイ輩もいる。私は個人的には赤本の1000円足らずをけちるなと指導はしているのですが・・・)
で、時間を計って、解いて、採点して、一喜一憂する。
そして、必ず言う一言が「追試って難しいですよね」と。で、途中で本試のみ取り組んで、さすがに10年分したからもう大丈夫と言い聞かせて、本番突入。

結果は・・・


ⅠAは何とか6割ぐらいとれて、ⅡBは半分を切ってしまう。

何が違うのか・・・
続・・・




2016年7月3日日曜日

知天命

先日読んだ某小説の会話文より
「あたしに言わせりゃあ、男も女も人生の仕組みがわかるのは七十過ぎてから。六十代なんざ、まだ青臭い若造ですとも。」

孔子によれば、「五十にして天命を知る。六十にして耳順い、七十にして・・・」

私などはまだまだ、考え続けねばならぬ。

そして、発展し続けねばならぬ。

満足が停滞を生み、停滞が衰退につながるのである。

2016年5月26日木曜日

『大放言』(百田 尚樹 著)

 サミットの開催、オバマ大統領の広島訪問、沖縄の暴行事件と国際的に落ち着かないニュースを断続的に聞く今日この頃です。

 で、そういった問題にもスパッと切り込んであるのが、この著書です。別に今を狙ったわけではないのでしょうが・・・(発行は昨年です)

以下、気になったフレーズを引用します。

戦争のない世界は理想である。私たちはそれを目指していかなければならない。しかし、残念なことに、口で「平和」を唱えるだけでは戦争は止められない。世界と日本に必要なのは、戦争を起こさせない「力」である。力のない正義は無能である。

極東軍事裁判で・・・被告全員に無罪を主張したインドの・・・パル判事はアメリカを批判して厳しい口調で言った。「これを投下したところの国から、、真実味のある心からの懺悔の言葉をいまだに聞いたことがない。(中略)罪のない老人やこどもや婦人を幾万人、幾十万人、殺してもいいというのだろうか。われわれはこうした手合いで、ふたたび人道や平和について語り合いたくはない」この言葉には綺麗事ではない真実がある。これこそ、私たち日本人が忘れてはいけない気持ちではないだろうか。

事の是非はともかくとして、物事の見方の一つとして、高校生にもぜひ読んでほしい本である。もちろん本屋でお金を出して・・・

ついでに勉強に関しても「大放言」

要するに、自己啓発コレクターは、毛生え薬をはしごするハゲと同じなのだ。「今度こそ効くに違いない!」「この本こそ、自分を成功に導いてくれるはずだ!」と期待を込めて買うのだが、期待したほどの効果は現れず、「もっと効く本があるはずだ」と、新しい本を探すというわけだ。

「やればできる」という言葉は、「やればできた」者が言う言葉だと思う。過去に頑張った結果、あることを達成した経験のある者がだけが口にできる言葉なのだ。・・・世の親や教師に言いたい。何もやったことのない子に「やればできる」というのはやめようではないか。彼らに言うべきことは「やらないのは、できないのと同じだ」という言葉だと思う。もうこれ以上、日本にバカを増やしてほしくない。

2016年5月23日月曜日

『太陽の塔』(森見登美彦 著)

表題の「太陽の塔」は言うまでもなく、大阪にある「太陽の塔」である。しかし、物語の舞台はその近くにある大学ではなく、京都大学である。

その京大生の主人公が失恋して、立ち直る(あるいは開き直る?)までの話を、「街を怪物が闊歩している…クリスマスという怪物が…。」など、大げさな、けど知的な、時として笑えるような比喩で綴った小説である。

「京都の女子大生は京大生が奪って行く」という都市伝説に真剣に(?)取り組んだ作品とも言える。

読みやすさ(読みやすい。一気に読める)


感情移入度(多数の男子は感情移入ができる)

2016年5月18日水曜日

『山月記』より

印象に残った一節を
「己は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交わって切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。かといって、又、己は俗物の間に伍することも潔しとしなかった。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である。己の珠に非ざることことを惧れるが故に、敢て刻苦して磨こうともせず、又、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することも出来なかった。」

勉強にも通ずる話で、大して学力もないのに、それを人から指摘される、あるいはそれを自ら認めるのが怖く、人から教えを請わず、ただ、自己満足のみに浸っている高校生がいかに多いことか。

そんなことだから、人を介さない、さして効果のないような映像授業に走ってしまうのだろう。

この国はどこへ向かっていくのだろうか・・・

未来からきた本

なんと平成44年発行!それまで生きているだろうか?
天下の新潮文庫でもこんなことがあるんだ・・・

それはともかく、本の紹介。
『山月記・李陵』(中島敦 著)

中国の古典から題材をとった、4作品。有名な「山月記」や漢文で登場する司馬遷や孔子、子路などの人物像が浮かび上がるような作品もある。ただ、注釈が多く、漢文もたびたび出てきて、少々読みづらいかもしれない。けれど、退屈なわけでなく、深みのある作品ばかりである。

読みやすさ(読みにくい、なかなか進まない)
感情移入度(漢文でなじみのある人物の描写は多少興味深いかもしれない)




2016年5月10日火曜日

石川県立歴史博物館

石川県立歴史博物館に行ってきました。実は昨年リニューアルしたらしく、リニューアル後に初めて行きました。以前から映像で見せるものはあったのですが、今回デジタル化されて、より鮮明にな
り、かつ体感できる工夫がされています。ついつい、見入ってしまいました。

石川県の歴史を原始古代から現代まっで、2フロアで一気に見せてくれる常設展示は、日本史を習っている高校生には興味をもって見れるのではないでしょうか。

ちなみに下の左の写真はおしゃれなガラス張りの休憩所で、ここでまったりするのもおすすめ。そして、何よりここばかりは、新幹線効果とは無縁の静けさ。

地元民には半日ゆったりできる、おすすめスポットです。

そして、調子にのって、写真のブックカバーまで買っちゃいました。(これも結構安くておすすめ)

2016年5月2日月曜日

『博士の愛した数式』(小川洋子 著)

交通事故により記憶障害となった元数学研究家の「博士」と、家政婦とその息子の「ルート」との温かい交流を描いた作品。

会話の端々にでてくる数字にまつわる話は数学嫌いな高校生でもきっと興味深いと思われるが、もう一つ出てくるプロ野球(阪神)の話は今一つピンと来ない高校生も多いかもしれない。

第1回本屋大賞を受賞した作品で映画化もされている。

以下、いずれも「博士」の会話の中から、気になったフレーズを抜粋。(カッコ内は私の感想)

「問題を作った人には、答えが分かっている。必ず答えがあると保証された問題を解くのは、そこに見えている頂上へ向かって、ガイド付きの登山道をハイキングするようなものだよ。数学の真理は、道なき道の果てに、誰にも知られずそっと潜んでいる。しかもその場所は頂上とは限らない。切り立った崖の岩間かもしれないし、谷底かもしれない」

(この通りなら、高校や大学受験の数学など、まさしく、この会話の前者の通りで、こんなもので苦しんだり、ましてや人生が左右されるなんで、バカらしくなる。)

「数学のひらめきも、最初から頭に数式が浮かぶ訳ではない。まず飛び込んでくるのは、数学的なイメージだ。輪郭は抽象的でも、手触りは明確に感じ取れるイメージなんだ。それと似ているかもしれないね」
(こうなると、高校や大学受験の数学で「ひらめき」などと言っていることが、ちゃんちゃらおかしい)

「物質にも自然現象にも左右されない、永遠の真実は、目には見えないのだ。数学はその姿を解明し、表現することができる。なにものもそれを邪魔できない」

読みやすさ(読みやすい、一気に読める)
感情移入度(数学と野球に関しては人によるが、結構感動できる話ではある)

『キッチン』(吉本ばなな 著)

言わずと知れたロングべストセラーの作品

3編の短編小説からなり、いずれも、愛する人をなくし、孤独感、喪失感を感じながらも、次のステップに踏み出す主人公を描く。

美しい情景描写、心象描写があり、何度でも読み返してほしい作品。

実は、私自身、当時はベストセラーを積極的に読むという習慣はなく(ていうか今でもないが…)、今ごろになって読んでみました。今更ながら、ベストセラーになるのもうなづける作品でした。

読みやすさ(読みやすい)

感情移入度(主人公がいずれも年齢的に近いこともあり、はまれるかも)

2016年4月23日土曜日

ボトルネック(米澤穂信 著)

恋人を転落事故でなくした主人公が、その転落現場である東尋坊を弔いのため訪れる。そこで、自身も転落してしまうが、気づいたら、自宅の近くにいる。ところが、そこにはいるはずのない姉がいた。

金沢を舞台としていて、なじみ深く読めそう。小説だから当然であるが、会話が金沢弁でなく、標準語であることには少し違和感が…

読みやすさ(一気に読める)

感情移入度(中学生、高校生が主な登場人物で、はまれるが、後味は悪いかも・・・)

2016年4月20日水曜日

『塩狩峠』(三浦綾子 著)

まだ、キリスト教に対する偏見が残存していた明治初期に、士族の子として生まれた永野信夫が、実母がキリスト教信者であることに反発をしながら、父親の死、将来の婚約者となるふじ子との出会いなどを通じて、自己を犠牲にして人助けをするまでのクリスチャンになるまでの生涯を描いた作品。
読みやすさ(読みやすい)

感情移入度(少年期の描写は同感できることも多々あり。)

『精霊の守り人』(上橋菜穂子 著)

ヨゴ皇国の第二皇子でありながら、父である帝に刺客を送られるチャグムと女用心棒バルサの冒険の物語。『指輪物語』のような小説、あるいは、RPGが好きな人なら、一気に読めるでしょう。現在(20163月)NHKでドラマ化されています。
読みやすさ(元は児童向けだけあって、読みやすい)

感情移入度(人によって、どっぷりはまれるかも)

2016年4月15日金曜日

新学期が始まって

高校も新学期が始まり1週間経過しようとしている。
学校の各授業も一巡し、今後の学習方針も生徒も把握しつつある。

志向館の方でも、学校の教材を確認しつつ、いかに効果的に(決して効率的にではない)取り組んでいけばよいかを生徒に指導すると同時に、塾としてどうサポートできるかを模索中である。

この時期に毎年言っていることであるが、本来、学校の授業をしっかりきいて、与えられた学校教材をしっかり自分のものにすれば、行けない大学はない。そこに塾の入る余地はないのである。

それを、塾の都合で、例えば、学校以外の英単語の本をわたし、結局どっちつかずになってしまったり、学校の授業を無視するかのように、高額なさして効果のないような映像授業を押し付ける。大体が、そういう塾は学校の教材など、確認もしない。塾の言う通りやっていれば、大丈夫などと「嘘」を平気で吐くのである。

塾の合格実績ほどあてにならないものはないのであって、あれは高校の合格実績であり、本人の努力と家族のサポートがあったらこその合格なのである。塾としてはせいぜい、生徒に学習環境を提供するぐらいであって、それを感謝されるならそれはそれでありがたいことなのである。それをあつかましくも、塾の合格実績などとチラシをうつ厚顔無恥さはどうにかしてほしい。

今年、石川県では大学合格状況は必ずしも芳しくはなかったようである。様々な要素があろうが、先述のような塾が学校の足を引っ張ることはなかったのか、同じ業界内にいるものとして、猛省したいと思う。、

2016年4月13日水曜日

『高校入試』(湊かなえ著)

当代きってのベストセラー作家である湊かなえによるテレビドラマ脚本を小説化したものです。高校入試という題材を登場人物のそれぞれの視点から描くという、湊かなえらしい小説です。高校生にとっては身近な話題であり読みやすいのですが、登場人物が多くて、最初は混乱しそう
文中の会話で「…この辺りじゃ、東大行くよりも一高なんだよ。地元一の進学校、一高に合格すれば万々歳。そのあと、東大行こうがプータローになろうが、関係ないの。…」というくだりは、某田舎県の進学校のことを指しているようでおかしい。それとも、田舎の高校はどこでもこんなものなのか?

また、「学歴自慢するのは、人生のピークがすでに終わってしまっているヤツ。今の人生に満足している人間は、過去の自慢なんてしない」いたって正論。

読みやすさ(読みやすい)

感情移入度(身近な話題だけに、どっぷりはまれるかも)