2016年3月23日水曜日

国公立後期試験

昨日まででほぼ後期試験の結果も出て、私の周りのせまい中でも、4名の合格があり、大学生に滑り込みました。

もちろん、喜ばしいことですが、なら前期で受からせーよ。と言われそうだし、ここまで、親の心配を引き延ばしたことには、ひたすらお詫び申し上げるしかありません。

ただ、後期で合格したと言うことは、同じ大学で前期試験を受験していれば楽に合格できた可能性が大きいわけで、前期であえて、センターリサーチの結果に振り回されず、信念を貫いて、前期試験まで、努力した結果はこれからの人生で必ずやプラスになると思います。

彼らの、大学生活そしてこれからの人生に幸多かれ!

2016年3月20日日曜日

『ツナグ』(辻村深月 著)

映画化もされた小説。
一生に一度だけ、死者に会えるという、一見オカルトチックな話であるが、死者だからこそ、語れる真実に思わず感動するお話です。また、「失われた誰かの生は、何のためにあるのか。どうしようもなく、そこにある、逃れられない喪失を自分たちはどうすればいいいのか。」「残された者には他人の死を背負う義務もまたある。失われた人間を自分のために生かすことになっても、日常は流れるのだから仕方ない。」など「死」について深く考えさせられます。
読みやすさ(ふつうに読みやすい)

感情移入度(主人公が高校生ですっと入っていける)

2016年3月15日火曜日

『甲子園割れた日』(中村計 著)

郷土の英雄、松井秀喜が甲子園で5連続敬遠をされて、その相手チームの監督、選手や当時の星稜高校のチームメイトにも取材をして、いかに明徳義塾が「悪者」にされていったかを明かした本。

まだ、ネット社会でなかった時代のマスコミの世論形成の恐ろしさを垣間見る話でもある。

ただ、最後の解説で「星稜」の「稜」が「陵」になっていたのには、少しがっかり。

読みやすさ(野球好きには読みやすい)
感情移入度(これまた野球好きならはまれるけど、今の高校生には少ないかな?)

2016年3月10日木曜日

『流れ星が消えないうちに』(橋本紡著)

事故によって恋人を失った奈緒子とかつては恋のキューピッド役だった巧との恋愛と悲しみからの立ち直りの物語。

余談であるが、会話の中に「駄目だな、清原は。西武で甘やかされちゃったんだ。でもいい選手だよ。もうちょっと努力すれば、すごい選手になったね」とあって妙に納得。

また、印象に残った一節を書きとどめておく。
「世の中には動かなきゃ見えてこないものがあるんだよ。俺はそういうのをずっと避けてきたんだ。でも、これからはできるだけ動こうと思っている。たとえ状況自体は変わらなくても、見る目が…いや俺たち自身が変わるはずなんだ」「立っている場所を変えることによって、見えるものが違ってくる。そういうのが本当に大切なことだって、ようやく気づいたんだ。」

読みやすさ(読みやすい、一気に読める)

感情移入度(随所に高校時代の思い出が描かれていて、はまれる。ただ、フォークダンスのくだりは、今の子にはわからないかも・・・)

2016年3月9日水曜日

高校受験お疲れ!

今日で、公立高校受験も終わり、あとは合格の報を待つばかりとなりました。

帰りの受験生に自塾のビラを配布していたところ、途中で家庭の事情で塾をやめた子に会った。

「がんばれた?」ってきいたら、

「前に塾でもらったファイルを持って行って頑張りました」ってさ。

何と感動的な話。
商売っ気丸出しで、ファイルを配布している自分が恥ずかしい・・・

それにしても、さらりとこんな言葉が出る中学生って
性格がいいというか、家庭のしつけがいいのか。
こんな子はきっと勉強などしなくても、将来幸せな人生を送るのでしょう。

そうは言っても高校に入っても、さらに部活も勉強もがんばってほしいものである。

2016年3月8日火曜日

予備校の合格実績

ネットのニュースから気になったニュースがあったので。

「偏差値29の学生でも、北海道大学医学部に合格できる――。大学受験予備校の四谷学院のCMで、低偏差値からの「大逆転劇」のような切り口で紹介されている生徒が、実は全国屈指の名門進学高校「東大寺学園」の出身だった。こんな指摘がツイッターに登場し、「偏差値詐欺みたい」などと炎上状態になっている。」

ということらしい。

こんなことは、予備校の合格実績では日常茶飯事で、今さら感もあるが・・・

大体が、「優秀な進学校」の生徒を集めて、難関大学に大量に受験させれば、ほっといても(もしくは、塾で授業などせずしても、あるいは効果のないような映像授業を見せていたとしても)自ずと実績はでるわけで、それにだまされて、「一般的な進学校」の生徒がしっかり授業を取らされて、お金だけ取られてしまう。

結局、塾、予備校を選ぶ基準が、表向きの実績しかないから、こんなことになるわけで、塾が何をしてくれるかを、口コミなりでよく調べるのがベストだとは思うのですが。

それにしても、今日は金沢大学、富山大学の合格発表、ドキドキ。
しっかり志向館の合格実績に反映できるだろうか。

2016年3月6日日曜日

大学入試、人物重視なのか学力重視なのか

3月6日付け朝日新聞のGLOBEで特集をしていたのが、「入試とエリート」
エリート養成機関として、アメリカのハーバードと日本の東京大学を比較している。
興味ある事項がいくつかあったので書き留める。

おそらく、日本の一部の人が考える新しい入試制度の模範の一つがハーバードであろう。
そのハーバードでは入試のメインとなるAOの選考過程を一切公表しない。また、OB、OGの子息の優遇もある。これには、世代を超えた共同体意識をもたらすと同時に、彼らからの多額の寄付金によって、経済的余裕のない学生の奨学金が得られるという側面もある。

東京大学に数多く進学する灘高校では、東大に進学する合計数自体大きな変化はないが、83年に文系に57名、理系に66名と合格していたのが、昨年は文系28名、理系61名と、明らかに文系が減っている。しかも多くが法学部に進む文1への合格が43人から13人と減った。その原因が、法学部の人気低下、医学部の人気継続と、灘高校もご多分に漏れない。

かつての日本では、大学入試とエリートには確かな結びつきがあった。東大法学部卒の多くが高級官僚になり、その一部が保守政治家と転身した。ところが、現在は一流進学校も医学部志向が強い。医師は優れた専門家であっても、社会を引っ張るエリートとは言い難いでしょう。

日本の入試改革では、ペーパーテストの役割を限定し、米国の一流私大に近い入試を導入しようとしている。だけど何十年かけても、日本の一流大学は米国の私大のようにはなれないでしょう。目指す教育の方向性が違うからです。日本のほとんどの大学は入学時に専門分野が決まり、教養課程は軽視されている。基本的には専門家養成の場であり、人間教育にはあまり関心がありません。指導層としてのエリート養成に重要なのは「どんな入試をするか」よりも「入学してきた若者にどんな教育を施すか」でしょう。

人物主義のハーバードは多様性を目指していますが、選抜される学生は圧倒的に富裕層が多い。大変高い基礎学力も前提になっています。点数主義の東大の学生も高所得家庭の出身が多いが、ハーバードに比べればずっと多様な所得層から入学しています。ハーバードの多様性とは、富裕層と高い学力の上に振り掛けられるスパイスに過ぎないのではないでしょうか。「人物をみる入試」とは実は「本人の努力が届かない、育ってきた環境も含めて人を評価する」という選抜方法だからです。一方、国語や社会など主要教科の学習は、経済格差や家庭文化の影響を最小化し、本人の努力が反映されやすい。それによって世代ごとに階層がある程度シャッフルされ、欧米に比べ平等な社会の実現したのが日本であった。「どんな学生を育てるか」という目標とカリキュラムが定まって初めて「学校の方針に合う入学者をどう選抜するか」という入試の議論が可能となるのです。

長々、いろいろな人の意見をつまみ食いしましたが、個人的には最後の芦田宏直氏の意見がいたって正論だとは思うが・・・

うがった見方をすれば、今進んでいる大学入試改革は、アメリカのご機嫌取りしかできない、日本の某総理のアメリカかぶれから来る気まぐれで、しかも自身は超一流出自にも関わらず、必ずしも一流とはいえない大学に進学せざるを得なかったひがみ根性から進めている政策なのかもしれない。



2016年3月5日土曜日

『陽だまりの彼女』越谷オサム著

映画化もされた小説。中学のクラスメイトに社会人になって再開し、恋愛も再開、駆け落ち同然の結婚、彼女の失踪と急速に展開していく話。肩の力を抜いて(というか余り入れ込まずに)、一気に読んでほしい小説です。
読みやすさ(読みやすい、一気に読める)

感情移入度(人によると思われる)

今さらのセンター数学分析(ⅡB編)

センター試験が終わってから、後を振り返る間もなく、私立対策、引き続き、国公立個別試験対策と追われて、私立の結果もほご出そろい、国公立前期の結果を待つばかりとなった。ここに来て、ようやく、振り返る間ができたので、まずはセンター試験から。

第1問は、指数対数関数では、珍しくグラフを問われる問題。ただ、グラフの平行移動、対称移動の話は、教科傍用問題集で必ずお目にかかっている問題。あとの最大最小問題は平易。
三角関数は、解の個数の問題で、誘導が丁寧であるものの、受験生が苦手とする分野かもしれない。後半の方が簡単だったと思われるが、最初につまずくと手がついてない可能性もある。

第2問は、微分積分で、今年は3次関数の面積問題、4次関数のグラフの出題も予想されたが、旧課程で対応できる問題であった。普通に2次曲線間の面積を求めさせ、その最大最小を2次関数、3次関数の最大最小問題に帰着させる問題で、計算もさほどでもなく、グラフさえ丁寧に描けば、流れ的には素直と思われる。

第3問は数列。典型的な群数列で、題材も一度ならずお目にかかったことがある題材と思われる。誘導もいって丁寧で、容易であったと言いたいところであるが、群数列は受験生が苦手とするところで、苦戦した人も多かったであろう。また、日ごろから、群数列を、階差数列で解いていた人も苦労したことであろう。

実は、志向館の冬期講習で、群数列の問題を大量に渡し、対策をしていて、そう意味では的中したであるが、できてないのだろうなあ。

恥ずかしながら、この仕事をしていて、群数列だけは説明をしていて、わかってもらったって実感がない。もちろん、いろいろ工夫をしているつもりで、かなり気合を入れて説明をしているが、きっとわかってくれてないのだろう…

第4問は空間ベクトルで、ベクトルの大きさを求めさせたり、三角形の面積を求めさせたりと、割合典型問題であり、計算ミスさえなければ、スムーズに解けたはずの問題である。

以上100点満点のうち、ほぼ公式がわかっていれば解ける問題が59点分、ひとひねりすれば解ける問題が41点分、気づきにくい問題はなし。といったところでしょうか。ところが、結果的には平均は50点そこそこ。

そう意味では、しっかり対策をすれば、差をつけられる問題とも言えようか。
典型的な解法を身に付けて、あとは過去問、模試でマーク型の問題の演習を繰り返せば、8割は十分にとれる問題でしょう。