2013年9月30日月曜日

『国語教科書の闇』を読んで

新潮新書 川島幸希 著

高校教科書に『羅生門』(芥川龍之介)、『こころ』(夏目漱石)、『舞姫』(森鴎外)が定番化した過程と、その問題点を述べた本で、なかなか興味深く読ませてもらいました。
詳しい内容は、本書を読んでもらうとして、

確かに、この3作品は私が高校時代にも習っており、今も習っていることに懐かしさと同時に驚きを禁じえない。

この本の最後の方に述べられているが、「今の定番小説はどれもこれも暗い(例外は『富嶽百景』くらいか)。これでは生徒が教科書に啓発されて、別の小説を紐解くことなどい期待できない」これは大いに同感である。

生徒の中には、模試の小説で、「今回の小説は感動したわ、思わず読み込んでしもた」(といっても点数に結びつくかは別なのであるが)という程度の読書に対する興味はあるのである。
現在(といってもわれわれのころからも同様なのだが)の高校生の読書量の少なさを嘆く前に、もっと国語の教科書に様々な分野の小説を取り入れたらどいうであろうか。近代小説はもちろん入れなければならないだろうが、芥川賞をとるような小説ばかりでなく、直木賞、山本周五郎賞、江戸川乱歩賞、さらには本屋大賞をとるような小説も取り入れれば、少しは教科書をきっかけに本を読むようになるのでなかろうか。

そうは言っても、大学入試を考えれば、そんなことは言ってられない。そりゃわかってますがね・・・

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