2013年5月14日火曜日

『バカ学生に誰がした?-進路指導教員のぶっちゃけ話』を読んで

中公新書ラクレ、新井立夫+石渡嶺司共著

私も職業柄、進路指導教員と話をする機会は多いのですが、進路指導教員の苦労が垣間見れる内容でした。

また、進路指導教員にとっての「迷惑大学」として、京都大学、早慶、上智、ICU、気象大学校があがっている。なぜ「迷惑」なのかは本書を読んでもらうとして、とても同感でした。
さらに「ご都合大学」としてあげられているのは、京都大学医学部人間健康科学科、北海道大水産学部、九州大芸術工学部であり、これまた”なるほど”って感じでした。

最後のほうで、高校の進路指導、キャリア指導について、述べている部分で、

今後の進路指導では、「好きなこと」「やりたいこと」から仕事に結びつけるのではなく、むしろある意味、変化への柔軟性を持たせる指導が必要になっている。・・・しかし、進路未定ならその生徒に考える選択肢を示し、どうしても決まらない、あるいはやってみたいことが複数ある、というのであれば、進路決定を大学に持ち越す。そして、そのことを高校も許す。こういう道筋も検討していくべきだ。

とあって、これも賛成で、わたくしは常日頃から、高校1年の前半で、理系・文系を決めることさえ無理があると思っていて、ましてや、将来の職業まで決めるなんてことは不可能なのではないのだろうか、と思っている。

大体、これまで学校、家族、といった狭い社会しか知らない高校生に、将来を決めろというのが無理な話で、もっともっとゆっくり考える時間を与えればいいのにと思う。どうせ、急いだところで、現在の日本経済では、人手が不足しているわけではないのだから。

ましてや、塾や予備校ごときが、将来の夢ということを大義名分にして、勉強させ、そして親から金をとる。なんてことは、もはや悪徳宗教である。大体が、世の中からもっともずれている塾や予備校の人(もちろん私も含めてだが)に、高校生のキャリア指導なんて、できるわけないじゃないですが。

最近は、どこの塾も予備校も将来のリーダー作りにといって、社会貢献をアピールしているようであるが、塾や予備校に勉強させられるような人物が日本の将来のリーダーだったら、もう日本はダメでしょう。


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