2013年3月7日木曜日

2013年金沢大学前期試験数学分析

いよいよ金沢大学の前期の合格発表を明日に控え、いまさらながら数学の入試問題の分析をしてみようと思う。
今年の数学は昨年に引き続き、難問がなく、標準問題が並び、日ごろの努力が結果に現れやすい問題であったといえる。ただ、大きな差もつきにくく、数学で2次逆転を狙った受験生にとっては、拍子抜けの問題であったともいえる。

ただ、4~5年前までのように、医学類を除いて、「できなかったあ~」と言って合格する受験生が大半だった頃のことを思えば、金沢大学の受験生の学力を考えれば、妥当なレベルの問題であった。

個々に問題を見ていこう。
文系の第1問は三角関数の最大最小で、この数年出題のなかったベクトルとの融合問題である。ただ、この融合は無理矢理って感じ。誘導が丁寧で、この誘導に乗りさえすれば、学校の教科傍用問題集レベルの問題である。
第2問は確率と図形と方程式の融合で、典型的なサイコロを素材とした反復試行の確率で、全てのパターンでも6通りしかなく、計算もしやすい。これもまた、教科傍用問題集レベルの問題である。
第3問は微分、積分の問題で、絶対値を含む式のグラフはこれで3年連続で、その中でも一番簡単な問題であり、過去問対策をしてきた受験生にとっては楽に解けた問題であろう。

次に理系の第1問は空間座標の問題であり、誘導に素直に従えば、平易な問題。
第2問は三角関数と微分(数Ⅱ範囲)の融合で、3倍角の公式を導き出させる問題が目新しい。あとは、これまた誘導に素直に従えば、苦労することなく解けるであろう。
第3問は数Ⅲの微分積分。接線、法線を求めさせ、それらをからめた図形の面積の問題で、その前には計算のヒントもあり、取り組みやすいのであるが、少し計算が複雑で、この問題の計算が唯一勝負の分かれ目であったかもしれない。
第4問は行列と数列の融合で、行列は昨年は出題されなかったが、過去ずっと出題されていた分野で、しかも誘導も丁寧なので、しっかり行列の対策をしていた受験生にとっては簡単な問題であろう。

さて、現2年生向けに、文系、理系ともに数学に関しては、高校の学習内容を踏まえた出題内容であり、教科書と教科傍用問題集(スタンダード、サクシード、アドバンス等)をしっかり取り組み、受験学年にはこれまた、受験向けの学校の問題集(ニューグローバル、メジアン、クリア、スタンダード)等に取り組んでいれば、たとえ、医学類であっても、十分合格点に達することが可能である。

その意味では、われわれ塾などが出る幕ではないのである。ましてや、授業はさして効果のないような映像授業を受けさせて、質問対応は大学生(残念ながら、大学生はたとえ金沢大学の医学類の学生であっても、自分が解くのが精一杯で、生徒のレベルに合わせた質問対応は期待すべくはないのです)のみで、塾の正式なスタッフは生徒からお金をとることしか考えていないような塾に、大枚をはたくのはお金と時間の無駄です。

学校の授業を大切にして、塾に通うにしても、全教科に専任講師がいて、しっかり学校の学習内容のフォローができる塾を選ぶことが、地元金沢大学に合格できる近道でしょう。

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